身文字的書の作り方
菊香 いい「菊」。「香」も悪くないが、左右の払いの場面では、くずしたところで「人」をささっと書くようにしたかった。「一」のようでは、「香」の一番表情の出やすいところで、ちょっともったいない気がした。 旧暦9月9日の重陽の節供。その菊の凛々しさ…
雪月花の時、最も君を憶う、だったか。 日本人の美意識ともいわれるが、もともと杜甫の詩にみられる。 平安の世にこの気分は愛され、今に至るということなのだろうか。 雪月花 雪月花 そういう意味では、上の作は、中国的。下の作は、日本的。 比較すれば、…
夢 「夢」、これもテッパンの課題である。 新聞の記事とともに、ピアニストの故中村紘子邸の居間に横長の「夢」の扁額がかかっていた。誰の書か知らないが、デフォルメの利いたいい作品であった。 「夢」など多く書かれる言葉や文字は、どんな「夢」にするか…
希望 言葉を選ぶのは意外に大変である。そう言う意味では「希望」は子どもから大人まで万人が使えるいい言葉である。 この方は、「花」を書いた方のお姉さんである。だから小さい頃、妹と一緒にお習字をしていたという。その片鱗はみればわかる。いい収め方…
花 その昔、小川紫峰(漢字が確かではないが)という書家が、埼玉は鳩山にいた。子どものころにその書家に習い、お習字展にはその地域の代表だったということを、作者のお姉さんからきいた。 何十年ぶりの筆遣いながら、だんだん筆がなじんで、勢いある書とな…
猫様 これは難しい。みんな書いてみてください。なかなかサマにならない。 それでも書き続ける。 「猫」の縦画がしっかり打ち込めたことは収穫。
ありがとう 勢いのある「ありがとう」である。講座前半、ちょっと平がなも、リズムをつけて書いてみよう、とやってみたものである。 その日、三つの用事があるなか、間に参加してくれて、前半のみだったので、その習作である。 平がなは、一般的に、小さく書…
「愛」を書くということ なぜ「愛」なんだ。 一昔前、〝愛という字のなかにある「心」をパッケージにいれたように書いて〟という広告用の仕事を受けたが、愛には、当然、心がなくちゃいけない字だが、「愛」の画数の多さに「心」があることを気にしていない…
恕(ゆるす) 論語を学んでいる方なので、こんな言葉がでてきたようだ。 あらためてみてみると、「恕」は「怒」、「恐」などと似ている。 怒ったり、恐れたり、、、ゆるすと表裏の関係にも思えてきた。 久々に筆を持った、という。 「心」のハネをも一つ体ごと…
ロビン 外国人の善さ。これをまず感じる。こんなふうに書けないのが漢字文化圏か。 漢字と書き順はおさえて書いた。陶芸家なので「炉」。ビンは、天空や秋の空の「旻」に。よくある日本語的に漢字当てであるがいかが。 陶 炉旻 「陶」のこざと偏がまず決まっ…
こころ込めて、じっくり書けば、筆文字は、それに応えてくれる。 そんな筆と紙と墨。 持たなきゃ損だ。 上手いとか下手とか、大した問題でなし。
猫さま まだ安定した線質や形はないものの、『身文字入門』がでてから、いや、出る前から、書と取り組んでくれている方は、その編集氏である。 書は身体から、筆は立体的に、裏も表も、と私の常々なので、それを宗とし、少々やりすぎてきた感があったが、そ…
今を生きる やはり『身文字入門』145頁に新墨場必携として「今」を載せたが、従来の墨場必携的には「而今」か。今、この瞬間を精一杯生きる、ということ。 道元の言葉からか、三重の名酒「而今」を一献、知った言葉だという。 整斉、ハネ、はらいも丁寧に、…
気持が乗る 体から筆に伝わって、心の思うままに動いた線条の中に成った「伝」である。 いい躍動感。 新しい筆を使ったので、まだ墨持ちがよくなかったので、想定以上にかすれた。 いわゆるゾーンに入ってきて、ここに、何本かの筆があれば、もっと表現の幅…
やはり、笑顔だろ! はからずも、『身文字入門』P145の新墨場必携「笑」と同じ発想になった。もっと攻めれば、笑い顔にもなる字だが、どこでやめるかが、その人とその文字の距離。 上部の竹かんむりで表情ができ、その中の3画目、6画目を点のように書き、目…
いわゆるハネ、ハライがお習字的でなくとも、芯が通れば、筆文字の魅力あり。 なにはともあれ、男として、優しくて、強い、のナイスガイ。こんな方が書を続けたら、どうなっていくのか。 続けたら、結果がでるのはライザップより書の方が効果あり、だと思う…