身文字つれづれ

しばらく『身文字入門』を中心に

誕生祭

「誕生祭」部分

「誕生祭」部分

「誕生祭」

上の写真2枚をみたら、書けそう、と思うかも。

最後の全体像をみたら、こんなに書けん、と思うかも。

この作品は「身文字入門」109頁、」手島右卿「抱牛」の作品名となった小林抱牛の作品「誕生祭」。1960年の作品だ。

 

小林抱牛は古典の修練をしっかり積みながら、思いの丈を注ぎ込んで作品と対峙した。

上野の森美術館で8月12日まで開かれている生誕100年記念小林抱牛展のなかで、抱牛の言葉が残されている。

 

作品に己れの魂をどれだけ注ぎこむか

とにかく計画だけでは浅い。書いて書いて書きこまねば

でも書いているだけでもドウドウメグリに終る

ここまでくるとあとは説明できぬ

説明のない世界で魂はハジケ出る。

                    抱牛

 

ただ、きれいに見せようとした字など、どうでもいいのだ。

魂が響きあうような字を、書の神様は待っているに違いない。